七月日記――すでにライフが足りてない。誰か、誰か早くポーションを!!
そうだ、二次元へ行こう。
皆さん、現実逃避はほどほどに。
どーも、友井架月です。
ちょい遅い話題だけど、出たね。
出ちゃったね。
ついに、出ちゃったね。
何の話かって?
あれだよ、あれ。
スニーカー大賞。
大賞受賞作でちゃったね。
史上四人目だよ。
涼宮ハルヒ以来だよ。
今後注目だね。
それで、俺も張り切んなきゃと思ったわけよ。
すでにライフがないんだけどね。
ちょっとモチベをあげようかと思ってる。
それで、今月は更新は少なめだと思う。
たぶん。
小説大賞に集中したいと思ってね。
ただでさえチーム制作も忙しいのに。
何か、今日の文章は元気がないきがするよ。
雨降ったり暑かったりで萎えてるんだろうね。
元気だそう。そうしよう。
それでは、二次元に帰ります。
集中しに行きます。
友井架月でした☆
テーマ:日記 - ジャンル:小説・文学
- 2009/07/03(金) 22:01:58|
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期待日記――マジで!? と思った深夜の日記
ついさっき日記を更新したばかりですが、興奮ついでにもうひとつ。
どーも、友井架月です。
11eyesがアニメ化されるらしいですよ、奥さん。
その知らせを聞いて、「え、mjd!?」と狂喜乱舞した友井の奥さん。こいつ、ノリノリだぞ。
なんか最近、アニメ化の匂いがプンプンしていたのでまさかとは思っていましたが、そのまさからしいです。
一ファンとしては嬉しい限りです。これでリトバスもアニメ化してくれたらなぁ。
詳しくは
lassのブログに行ってちょ。
友井もつい最近PCのほうの11eyesをクリアしました。率直な感想を言えば面白かったです。
凝ったシステムにプレイヤーをどんどん引き込んでくるシナリオ、熱い戦闘シーンにギャグのテンポも良かったです。そして、OPが神がかっていますね。あれだけを見て買ってしまった人も多いはず。友井もその一人ですからw
残念ながら、360移植版はやっていません。
やりたいんですが、ウチには360がナインダヨ・・・これを機に思い切って買おうかね。でも、高い・・・
PS2で出してはくれませんかね? もしくは逆移植。それは無理か。主に声優的な理由で。
それよりも、アニメのほうが気になります。
ブログでは『期待は裏切りません』的なことが書かれていたんですが、ファンとしては期待半分心配半分。
まず、PC版をアニメ化するのかコンシューマーをアニメ化するのか。もしくはその両方かまったくの別物か。気になりますね。
そして、声優は変更されるのか。
声優は変更してほしくありませんね。それだけで、11eyesの世界観が壊れたような気がしますから。
戦闘シーンは大いに期待。11eyesの魅力のひとつですからね。美鈴先輩がぬるぬる動く様を見てみたい!!
主題歌は彩音さんに歌って欲しいです。神曲をアニメでもって感じで。
そんなこんなで作品のクオリティをどうアニメに盛り込んでくるかがポイントですね。
まあ、アニメ化についてはファンの間でも賛否両論だとは思いますが、これはしょうがないことだと思います。
それも、ファンそれぞれに思い入れがあるからこそ。自分の世界観が壊れたくないからですね。
それでも、友井は応援したいと思います。何より、心配よりも期待のほうが大きいのですから。
否定的な目で見ていると、どうしても嫌に映りがちです。ここは温かい目で見守るのが得策かと。
そして、リトバスは何時アニメ化されるのだろうか。
コンシューマー化もするんだし、そろそろだろうか。
気になって眠れない日が続きそうです。
それでは、今回はこの辺で。
続報についても日記を書くかもしれません。
それだけ、気になる話題ということで。
友井架月でした☆
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- 2009/06/27(土) 01:06:46|
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助走日記――位置について、よーい、そういえば最近暑いよね。
一日中暑くなってまいりました。
梅雨はどこ行った?
猛暑と雨ではっきりとしない天気が続きます。
おまいは俺か!?
どーも、友井架月です。
さてさて、今月は長編のプロローグを更新し、
短編を完結させたと思ったら、また始めてしまったりと、
それなりに忙しい月でした。
学校のほうも忙しさを増し、精根尽き果てて帰ってくることもままあります。
だがしかし、本番はこれからです。
チーム制作も東京ゲームショウ向けに移り、
友井はいよいよ小説大賞向けの作品の制作に移ります。
この夏は、ある意味去年よりも忙しいかと思われます。
去年は・・・遊んでたしなぁ。
そんなこんなで、修羅場の連続になると思いますが、ブログのほうもなるべく更新していきたいと考えています。
この夏を充実したものにするには、ブログの力も必須でしょう。
7・8・9月は死ぬ気でがんばります。
そして、死にます。
10月にはミイラになっていることでしょう。
さらば、今までの自分。
これからは、新しい自分になります。
新☆生☆友☆井
その名も――へんたなんでもありません。
それでは、今日はこの辺で。
友井架月でした☆
テーマ:日記 - ジャンル:小説・文学
- 2009/06/26(金) 23:48:52|
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不思議といえば不思議。異様といえば異様な光景であった。
都内でも人気のある歓楽街が点在する音倉(おとくら)。
その中でも飲食店が集中している三丁目商店街は住民にも観光客にも愛されているスポットである。その昼間は人という人で賑わう商店街の一角に、ファミリーレストラン『クロイツ』は存在する。
子供からお年寄りまで幅広い年齢層に人気のある本店は、しかし深夜だからか人の気配がまばらである。
夜勤のアルバイトなのか見るからにやる気のない店員数名に、会社帰りに飲みに行ったのか半分潰れている中年男性のグループ。眠たそうにレポートを書いている大学生と、昼間の賑わいが嘘ではないかと疑いたくなるほどの荒廃ぶりである。しかしそれが深夜帯の実態なのだから仕方がない。
そんな世紀末を思わせる店内に響くのは、カチャリという一組のナイフとフォークの旋律。
そのBGMの主は、驚くことに少女であった。
店のライトを浴びて淡く光る黒髪に、透き通るような白い肌。人形のように整った顔立ちは息も忘れるほどの和風美人と言えた。可愛らしい未成熟の幼い容姿は、しかし子供特有のあどけなさを秘めてはいなかった。
引き締まっているというよりは、笑顔を知らないかのような固い表情。『冷たい』とさえとれる存在感は、彼女が只者ではないことの象徴なのかもしれない。
その少女が一心不乱にナイフとフォークを動かしている。見ようによっては獲物を狩るライオンに見えないこともない。
少女の眼前にあるのは、クロイツでも最も人気があり最も値段の高い特上サーロインステーキである。極厚のステーキを切り刻み、口に入れる姿はまさに肉食獣のそれであるが、少女がやるとなぜか上品だ。
文字通り血の滴るステーキをほおばる瞬間、少女の頬がわずかに緩むのは、至福の時を味わっているからだろう。その点だけを見れば微笑ましい光景だった。
そしてさらに驚愕なのは、テーブルの端に積んであるプレートの数である。
その数実に七枚。
つまり、少女はすでに七枚のサーロインステーキを完食したということになる。
大の大人でも胸焼けする偉業を成し遂げているのは、見るからに小食そうな少女なのだ。
慣れた手つきでナイフとフォークを操り、瞬く間にステーキを解体、口内へと帰結する一連の動きはある種のショーのようで、圧巻であった。
それは不思議といえば不思議。異様といえば異様な光景。
一つの完成された絵画のように、触れることすら無粋な神聖な空気が辺りを漂っている。まるで少女の食事が何らかの神聖な儀式で、一般人では拝むことすらおこがましいような、ただならぬ雰囲気。たかだか食事に何をご大層な、と言う者もいるだろうが、彼女の仕草は優雅であり華麗。貴族の晩餐会すら見劣りするような、気品にあふれるものだった。
カチャリと、そのよどみなく動いていたナイフが止まる。無論、少女が食事を終えたわけではない。
「よお。そこのかわいいお嬢さん」
彼女の食事を邪魔する者が現れたからだ。
「こんな夜遅くに、何をしているんだい?」
「もしかして家出とかだったりする? だったら、お兄さんたちが相談にのるよ」
いかにも柄の悪そうな青年が三人。贔屓目に見てもまともな部類の人間には入るまい。要するに、不良集団だった。
少女はその容姿や清純そうな身なりからも、どこぞのお嬢様であろうことは一目瞭然だった。それが庶民のファミリーレストランといえど、深夜に来店しているのだ。その手の者ならよからぬことの一つや二つ考えてもおかしくはない。
「どう? お兄さんたちと一緒に行かない?」
「一緒にきたら、楽しい事があるかもよ?」
「ぎゃはは! お前それは下心見え見えだろ!」
悪意に満ちた、下品で見るに耐えない笑顔と笑い声。
そこにもし正義感のある大人でもいたら助けに入っただろうが、悲しいことにここは深夜のファミレスである。見知らぬ他人のために不良青年に挑みかかるような良心のある人間は、残念ながら居合わせてはいなかった。
その四面楚歌な状況にも少女はたじろぎもせず、食事を再開した。
それが青年たちの気に触れたのだろう。
「ちょっと、シカトしてんのか?」
「人の話はちゃんと聞けってお母さんに教わらなかったのか?」
それまでの丸みを帯びたものから、攻撃的な口調へと変化しつつあった。少女の空気にでも相手にするかのような態度に腹を立てたようだった。
一様に息を荒げる不良三人組。まずい兆候である。それとは対照的に黙々とステーキを口に運ぶ少女。ある意味大物なのかもしれない。
カチャリ。最後の一切れが少女の口内へと消える。それはつまり、彼女の食事が終了したことを意味した。そして、青年たちの命運もである。
「あ――?」
食事を終えると早々、少女は紙幣を数枚テーブルに置いて、男たちには目もくれずクロイツを後にした。その迷いのない行動を、三人組は数秒ぽかんと口を開けながら見ていた。
「――っ! ちょっと待てよ!」
不良にも不良なりのプライドがあったのだろう。目をつけた少女に相手にされないどころか、馬鹿にするように彼らの前から消えたのだ。これで沸点を超えないわけがない。
「こんの、クソガキ!」
怒気を強めて少女の後を追う。彼らは当初の目的など忘れて、少女を痛めつけることしか頭になかった。ここで引き返していたのなら、痛い目にあわずに済んだのかもしれないのに。
店を出た少女はすぐに見つかった。元々急いでいる風ではなかったし、彼らを撒こうとすらしていなかったからだ。
しかしその行き先は妙ではあった。
家にでも帰るのかと思われたが、住宅地には向かわず、かえって人通りがさらに少ないような裏路地へと歩を進めているのだ。まるで暗闇へと自ら赴くように、そこへ男たちを誘うように。
普通の人間ならその異変をすぐに察知できただろうが、彼らは怒りのあまり理性を失っていた。
よって、何の疑いもなく彼らは少女の後を追い、さらに闇の濃い裏路地に少女を追いこんだ。
あるいは、追い込まれたか。
「このガキ、俺たちを本気で怒らせやがったな」
「調子こいてんじゃねーぞ」
「ワルい子にはオシオキしなくちゃなあ」
汚れた笑みで少女を包囲する三人。じりじりと少女との距離をつめ、すぐにでも襲い掛かっていきそうな勢いだ。
「…………」
それでも、少女は揺るがなかった。
汚れのない瞳で、か細い外見とはかけ離れた力強い視線で三人を射抜いていた。
人数の問題ではなかった。
性別の問題でもなかった。
彼女と男たち。その立ち居地すらすでに違う。
彼女が別格というわけではない。
「お前たち。さっきからごちゃごちゃうるさいの」
少女と彼らとでは、住んでいる世界がそもそも違うのだ。
次元違いの両者を比較するなど、愚考もいいところだ。
「ああ?」
「なんて言った?」
もはや不良集団など蚊帳の外。
パチ、パチ。少女は着ていたコートのボタンを上からはずし始めた。
あらわになる胸元。そこに現れたのは、暗闇でも光る精巧な造りのペンダントだった。
「…………」
今度黙るのは男たちのほうだった。
少女が何をしようとしているかは分からない。
ただ分かるのは、身に危険が迫っているのはどっちかということだ。
少女は目を閉じ、両手を地面と平行に挙げ、神にでも祈るかのようなポーズをとる。
それがあまりにも神秘的だったからだろうか。
決して知ってはいけない、踏み込んではならない領域を侵した愚かな者たちは、その場から一歩も動くことができなくなってしまった。
少女がおもむろに口を開く。
途端に、辺りは昼間のように明るくなった。
彼らの誤算は二つ。
一つは、少女の食事を邪魔して機嫌を損ねてしまったこと。
もう一つは、少女が仕事中だったこと。
『輝いて――綺羅星』
少女の声が響いたその刹那、哀れな男たちは血の海へと沈んだ。
……Next 有栖川きららの奮闘
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- 2009/06/25(木) 09:16:28|
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有栖川きららの奮闘
人々が眠りにつく深夜は、一部の者にとっては活発な活動期となる。
体の芯まで凍りつかせる寒さは、暗闇をもってその威力を増す。
まるで夜の闇に怯えているように、震える手足は小刻みに不安と恐怖をその身にもたらす。
まばらな明かりに、天に煌く無数の星々。
ぼんやりとした不安定な光は、そこにある闇を余計に明確にしてしまう。
その先には何も見えない。
人は闇の向こう側を見通すことはできない。
だからこそ、暗闇はこの世の全てを内包してさえいる。
昼間に見られる光景は、そのまま夜間に見られる光景とはかぎらない。
その事実を本当の意味で理解している人間は少ないだろう。
ただ暗いか明るいかの違いだけではない。
その場に流れる空気、時間、生命の有無、温度や湿度、感覚的な雰囲気の差異。
そして何より、闇そのものへの本能的な恐怖。
暗闇がより一層の恐怖を人間に与える。
しかしそれは、闇そのものが恐怖を孕んでいるわけではない。
闇が持つ得体の知れなさ、混沌とした虚無が、人に警戒と畏怖を強要させる。
かといって、そういった本能は人間にとって不必要な機能ではない。
闇からの逃避は、人にとって重要な防衛反応である。
暗闇には確かに、人の人知には遠く及ばない何かが潜んでいる。
それらから身を守る術は、人間にはないに等しい。
利口な者なら、進んでそれらに関わろうとはしない。
運のない者なら、理不尽にそれらはやってくる。
目に見えない恐怖は、実体としてその身に襲い掛かる。
突然に、予兆もなく、有無を言わさず、通り魔のように情け容赦なく。
闇が持つ真の恐怖を知らない者は、それらから抗う術はない。
それでもなお、気をつけたほうがいい。
それはいつ何時、その身に降りかかってくるかは分からないからだ。
それは一生やってこないかもしれないし、もしかしたら今夜かもしれない。
暗闇に何かが潜んでいる気配がしたら、直ちにその場から逃げるべきだ。
さもないと、闇から誘うように。
ほら――
……Next 有栖川きららの奮闘
テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学
- 2009/06/25(木) 09:13:30|
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1.星は巡る
「いやはや、私たちもほとほと困っておりましてね。もうわらにも縋る思いなのですよ。今が村にとって一番大事な時期だというのに、肝心の働き盛りな若い衆たちが皆こぞって倒れてしまうものですから。村を預かる者としては、どうにかこの状況を乗り越えねばならんのですよ」
そう言っている本人が今すぐにでも倒れてしまいそうな、端から見ても苦悩しすぎて睡眠もろくにとっていないような疲労しきった顔だった。ため息しか漏れない虚ろな瞳に、白髪交じりの頭髪が彼の苦労を如実に物語っていた。タヌキの置物のような小太りの老人は、英雄でも見るような目でこちらに振り返ってきた。
「私たちも諦めかけていたのですがね、まさかあなたのような偉大な方が来てくださるとは、夢にも思ってなかったんですわ」
期待で満ちた瞳を向けられて、彼女は苦笑せざるを得なかった。
神咲天花(かんざき てんか)。それが彼女の名前だ。
その女性は服装こそどこにでも売っているようなシャツとジーンズと飾り気はないが、人目につくような印象的な容姿をしていた。それはただ美人だとか綺麗だとかいう話ではない。
言葉を失うほど神秘的なのだ。
すぐそばに居ても、彼女とは住んでいる世界が違う。物の見方も、吸っている息も、何もかもが普通ではない。そう感じさせるような不思議な雰囲気を持つ女性だった。
その神咲を前に今にも飛び上がる勢いの村長を抑え、神咲は社交的な笑みと共に言った。
「買いかぶりすぎですよ、村長。私はそれほどたいした人間ではないですよ」
「ご謙遜を」と今年で還暦を迎えた村長は、オーバーなほど大きく両手と首を振った。
「私のような、そちらさんの常識にも疎いような老いぼれにも分かります。神咲天花といえば、かの五大家にも数えられる守護者の方だと」
村長はまるで、神様にでも出会ってしまったかのような、ある種の神々しさをあがめる信者のように合掌した。これにはさすがの神咲も口元を隠して皮肉を飲み込むしかなかった。
当たらずとも遠からず。
目の前の老人にとっては、神咲はまさに神様のごとき存在なのだろう。
いや、『ごとき』とは語弊がある。
「いえいえ、村長さん」
神咲天花。彼女は正真正銘『神様』とやらの部類に入る『人間』なのだ。
「私は守護者失格ですよ。自分の一族すら満足に守れなかった身に、どうして日本という民を護れましょうか」
神咲のそれは本心である。謙遜でも過小評価でもない。この村長のような社交辞令じみた賞賛は数知れず耳にしたが、そのどれもが神咲を批判するような耳が痛いものであった。
神咲の苦笑いをどうとったのか、大きく膨らんだ腹をさすって村長は言う。
「何をおっしゃられる。あなたの今までの功績を見れば、その成し遂げてきた偉業の数々を見れば明らかでしょうに」
それが分かっていないというものだ。この村長は根本的な部分で履き違えている。神咲の理想と村長の理解の食い違いは、決定的なものだと神咲は悟った。
それを神咲は作り笑顔で、自分をあざけりながら飲み込んだ。別に村長が悪いわけではない。自分の理想が高すぎるだけなのだと。この村長だって神咲の実績と『神様』としての力を頼りに助けを求めてきたのだ。ここで憤慨しても意味はない。
「それで村長、ここら辺で本題のほうを」
まだ神咲を褒め称えようとしていた村長を凛とした声音で黙らせると、神咲は便利屋として事の詳細を聞いた。
事の発端は夏の終わり、秋の収穫期を迎えるにあたって神仏へ祈りをささげようと、村の最奥にある神社で祀られている神岩へ行ったときのことだそうだ。神岩には村の守り神が封印されているらしい。村人の信仰の対象としてその神岩は神にも等しき存在として、大切にされてきた。儀式とは、その神岩の前に建てられている社で行うという話だ。
儀式は毎年、その代の巫女によって執り行われる。儀式自体は三十分ほどの短いものだが、この村ができてからかれこれ三百年以上続く歴史ある行事だった。
この年の儀式も何事もなく終わるかと思われたが、儀式の最中に一つの事件が起こった。
儀式の始まりとともに天候が悪化し、これは一雨来るかと思われた矢先に、特大の雷が神岩に落下したのだ。
神岩は見るも無残に砕け散った。
村に大いなる災厄を残して。
「その事件以来、次々と村の大人たちが倒れましてな。最初は伝染病か何かと思っていたんですが、医者に見せてもただの高熱だということしか分からなくて。村の連中は村に災いが降ってきたと騒ぐばかりですし、収拾がつかなくなったんですよ」
神咲は村の状況を垣間見る。村長の言っていることは本当のようだ。辺りを少し見回しただけでも、家の外を歩いているのは女子供ばかりだというのがわかる。みなの表情は一様に暗い。まるで彼らのほうが呪われたかのようだった。村の若い大人ばかりが原因不明の高熱で倒れているのだ。その苦悩にゆがむ顔も理解できる。
「村長。これはやはり神岩が破壊されたことに原因があるのですか?」
「私は信心深い人間ではなかったのですがね。神岩がなくなってしまったのと村の現状を比較しても、そうとしか思えないのですよ。ただの高熱といっても薬がまったく効かない。かといって、なくなった神岩の代わりを見つけるというわけにもいかない。我々では手の施しようがない緊急事態なのです」
「それで私を……?」
「はい、その通りです」
村長は土下座でもするような勢いだった。
「どうかお願いです、神咲さん。あなたのその力で、村を、人々を救ってください――!」
神咲の手を強引にとり、一縷の望みをこめた瞳で神咲に懇願する。そんな見ているこっちが困ってしまうような迫力のある頼みを聞いては、断るほうが難しい。
「その願い、聞き入れました。できるだけ善処しましょう。私はそのために来たのですから」
それこそ悩める子羊を導く神のように、いくつもの肩書きを持った『神様』は村長にそう告げる。これも数知れず体験してきた、積み重ねてきたものをなぞる光景だ。
困っている人を助けることで、自分は果たして変われたのだろうか。
答えはまだ、でていない。
「――おお、いいところに来た」
ひび割れた記憶が脳裏をかすめる中、はっとした表情で村長が声をあげた。
「来なさい、架奈。例の便利屋さんが来てらっしゃるぞ」
村長に呼ばれて二人の元へと駆け寄ってきたのは十二、三くらいの少女だった。絹のような光を放った黒髪に、陶磁器のような白い肌、翡翠のごとき輝きを宿した瞳を持った、作り物めいた印象を与える少女だった。感情の変化が乏しいのか、見知らぬ女性である神咲を目の前にしても眉一つ動かしていない。その無感動っぷりが村長の機嫌を損ねたのか、表情を曇らせて架奈という名の少女に注意を促した。
「こら、架奈。せっかく来てくださったお客様に対して失礼だぞ。ちゃんと名前を名乗りなさい」
架奈はそう言われてやっと神咲のことを認識したように顔を少しだけ神咲のほうに向けると、「蒼井架奈(あおい かな)」と強張った調子で言った。
(そうか……)
その声色と瞳がかすかに揺れていることから、神咲は架奈という少女の内心を悟った。
彼女は神咲のことを不審に思っているのだ。村が危機的状況に置かれている中で訪れた、謎の部外者。精神的に不安定になっている村人ならば、村を救いに来たと言われても信じられないだろう。それに神咲は表向きにはただの便利屋である。原因不明の災厄と騒がれている事件を解決してくれる救世主にはとても思えない。
「――あなたは、村を救ってくれるの?」
いぶかしむような視線で架奈は神咲に問う。言葉の端々に、攻撃的な余韻がまとわりつく。どうやら架奈は神咲を歓迎してはいないようである。
「ええ。私は村を救うために来たの。そのためなら力の限りを尽くすわよ」
神咲はなるべく少女を刺激しないように、柔らかい口調で言った。そうでないと、彼女の中の何かが壊れてしまいそうで。自分の過去を彼女に投影してしまいそうで怖かった。
「……無理よ」
そんな神咲の気遣いも彼女の心には伝わらないのか、架奈は今にも泣き出してしまいそうなか細い声で言った。
「誰にも、村は救えない」
それは神咲を突き放すための言葉なのか、それとも無力な自分に宛てたものなのかは判別できなかった。架奈は神咲の視線に耐えられないのか、逃げるようにそっぽを向いて、それっきり黙りこんでしまった。小刻みに震える彼女の背中は泣いているようで、神咲はどういう言葉をかけてやればいいか分からなかった。
「か、架奈! 神咲さんに向かってなんてことを言うんだ!!」
架奈の暴言に慌てふためく村長を片手で制して、神咲は穏やかに言った。
「気にしてませんよ、村長。それよりも、先を急ぎましょう」
「む……。神咲さんがそうおっしゃるなら」
難しい顔のままの村長を促して、神咲たちは民家の密集地を抜けて、なだらかな農道へと歩を進めた。
先頭を村長。続いて神咲、その後方を少しはなれて架奈がついてゆく。架奈はよほど神咲のことを敵視しているのか、振り返ってみなくても分かるほどの敵意が神咲の背中へと注がれていた。何をどうやったらここまで嫌われるのか。神咲には理解できなかった。神咲は人から感謝されることばかりしてきたはずだが、それは同時に、恨みや妬みを買うことである。どこでだれに嫌悪を向けられるかは理解の余地なしだが、架奈のそれは少し違った。
神咲を集中的に狙う攻撃ではなく、とばっちりに近い当てつけであった。
(――そうか)
そこで神咲は、村長の話を思い出した。
今年の儀式を執り行った巫女。それはこの架奈のことではないのかと。
それなら納得がいった。
重要な儀式を失敗に終わらせるどころか、村に災厄まで呼び込んだ原因のようなものだ。
彼女が村人からどれだけの非難をあびたかは想像に難くない。神咲と会ったときの感情を殺した表情は、そういった村人の反響から自分を守るためのものではなかったのか。まだ十数年しか生きていないような少女に、その重圧は耐え切れないものだろう。部外者である神咲にその病んで誰にも向けることのできない精神の矛先が向けられるのもうなずけられる。
彼女はまるで、居場所がない村から逃げるようについてきていた。それはあたかも神咲の歩んできた道をなぞるようで、彼女の前を歩く神咲の足を重くしていった。なまじ似通った境遇におかれているだけに、彼女の内心を察してしまう。
察してしまって、後悔した。自分はいったい何をしようとしているのか、と。
神咲は彼女に声をかけようとした。何を言うのかまでは考えていなかったが、彼女に伝えなければならないものがあるのではないかと思った。どうしてそう思ったのか。……思ってしまったのか。
そこで端と気づく。
蒼井架奈という少女に、神咲天花という過去を投影しようとしている自分に。
神咲はいまだに過去を引きずっていた。そして、架奈に自分とは違う道を歩ませることで、過去の自分を払拭しようとしていた。
それは断じて赦されないことだ。半神としての、いや神咲天花としての罪も義務も過去も、全ては神咲が背負っていかなければならないものだ。他人に背負わせることも、自分でおろすこともできない。何より、守護者としての誇りを傷つけることはできなかった。それは、今まで自分がしてきた行為を否定することに繋がるから。それがどれだけ悔やまれることであったとしても『無かったこと』にだけはできない。最低でも、他人に自分の責任を押し付けるべきではない。それがたとえ彼女が望んでいることだとしても、だ。
「…………」
架奈にかけるべき言葉も思いつかずに、神咲は黙々と村長の後をついていった。農道から次第に人気のない林へと移り、辺りは段々と不気味さを増してゆく。時折感じる人ではない動物の気配、カラスの鳴き声、木々のざわめきが、神咲たちを拒むように迫ってくる。先ほどまで口数も多かった村長も、今では黙って道案内をするだけである。
落ち葉を踏みしめる足音だけが、嫌に耳に残った。
後は周囲のかすかな雑音しか聞こえない。
神咲は視線を前方に向けたまま、後方の架奈へと意識を向けた。
彼女はどのような心境でついてきているのだろうか。
架奈が神咲たちと同行する意味は、実のところあまりない。
事情ならば話を聞くだけで済む。わざわざ現地まで赴く必要性は無い。
それでも架奈は拒否することなくついてきている。
自分ではどうすることもできないのは理解しているはずなのに、自分の意思でついてきている。
それが、自分がしたことへの責任なのだと分かっているのだろう。
それは、どれだけ勇気のいることなのか。
彼女の勇気を、神咲は汲み取ることが出来るのだろうか。
できれば守ってあげたい。貫き通させてあげたい。
それも神咲自身のエゴに過ぎないのだろうか。
何も分からない。
答えは出ない。
誰か教えて欲しい。
神咲がとるべき、最善の策を。
誰も苦しまずに済む、最良の選択を。
神咲は何をすればいいのか。
何を選べばいいのか。
答えは出なくても、選択はし続けなければならない。
それが神咲の選んだ道だ。
半神半人の身となった神咲が自分自身に刻んだ、終焉も展望も見えない果てしなき道なのだ。
「見えてきましたぞ」
どれくらい歩いただろうか。
舗装されていないなだらかな道を黙々と歩いてたどり着いたその場所は、林の中にぽつんと寂しく建てられた小さな社だった。実質的な利用価値よりも建前を重視したのだろうか。来ようと思わなければ決して立ち寄らないような重苦しい空気に、のどの奥が詰まりそうな気がした。林中が活動を停止したかのように、社一帯の雑音が消えている。肌にまとわりつく静けさに、声も出ない。民が崇め奉りたくなるような神秘さも神々しさもなく、ただ暗いだけの気配が辺りに漂っていた。
「ここ……ですか?」
「ええ。ここの裏手です」
何か嫌な予感がした。
この勘は、おそらく当たるだろう。
いや、確実にだ。
「……こ、れは……?」
「雷が落ちた跡ですわ。ここに本当は神岩があったんですけど、雷で跡形もなく砕けてしまったんですよ。ひどい有様でしょう? 相当巨大な雷だったんでしょうなぁ。全長5、6メートルはあった神岩が粉砕するくらいですから。いやはや、雷が直接人に当たらなかったのが不幸中の幸いといいますか。そもそも雷が落ちなければこのような事態に陥っていないわけで。中々複雑な心境ですよ」
いや、神咲が言いたいのはそこではない。
もっと根本的なところだ。
「…………」
そこには確かに、何かの爆心地のような黒い円形の跡ができていた。
よほど威力があったのか、小さな岩の破片がそこら中に散らばっていた。
おそらく、それらが例の神岩の残骸なのだろう。
しかし問題なのは、雷ではなく神岩の方だ。
「……? どうしたんですか、神咲さん?」
落雷の中心にしゃがみ無言で何かを思案している神咲を心配してか、恐る恐る村長が話しかけた。架奈も不思議そうに神咲の挙動を見つめていた。神咲は抱いていた予感の正体を明らかにすると、無言のまま立ち上がり、村長に一つ尋ねた。
「村長。ここで祀られていたのは、この村の守り神だそうですね」
「ええ、そうですよ。何でも、村ができた当初からあるそうで。この神岩の元に人が集まりだしたらしいのです。大層な信仰心だったんでしょうな」
「違いますよ、村長」
「……はい?」
「ここで祀られていたのは、守り神などではないんです」
空気の色が、変わる。
神咲の仕事の内容がはっきりとした。
どうもやっかいな依頼になりそうだ。
それを神咲は、不気味な悪寒とともに肌で感じていた。
「ここで祀られていたのは……悪霊ですよ」
「……は?」
「それも、飛び切り悪質な」
……Next Heavens Flower 2.神は語る
テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学
- 2009/06/22(月) 23:38:59|
- ミズガルズの救済者SS4
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夢日記――某ツクール製ゲームとは何の関係もないので注意。あと、今回は変態ネタはなしの方向で。
以前はカロリーメイトといえばチョコ味が好きだったけど、この頃はフルーツ味が好きになってきた。
これも成長するにつれての味覚の変化なのだろうか? 違うか。
だが依然としてチーズ味はだめだ。カールのチーズ味も匂いがきつくて食えん。
どーも、友井架月です。
思い出してみれば、昔の俺には一般的に言うところの『夢』というのがなかった気がする。
誰にだって、宇宙飛行士だとか、サッカー選手だとか、まさに夢のようなことを言っている時期がある。
それは、『そうなりたい』という一種の憧れだ。
今の自分にはないもの。今の自分では届かないものに憧れを感じ、そうなりたいと願う。
けれども、人は次第に現実的な夢を思い描くようになる。
それが『大人になる』ということなのだろうか。
子供の頃の俺には、具体的になりたい職業がなかった。
小学校の文集でも、『将来なりたい職業』の欄には『銀行員』と思ってもいないことを書いていた。
そのときの俺はきっと『将来』というものが漠然としすぎて想像がつかなかったのだろう。
1万年後の世界がどうなっているのか?と訊かれても『わからない』としか答えられない。
それと同じくらいに、当時の俺にとって『将来』とは遠い存在だったのかもしれない。
そんな俺にだって、今では夢の一つ二つは余裕である。むしろ、幼少時よりも多いくらいだ。
そのどれもが、他人から見れば子供の語る夢物語と大差ないと思われるかもしれない。
それでも、俺はどうにかなると信じている。最低でも、政治家になるよりは可能性があるんじゃないかと。
今の自分にできることを一つ一つ並べていった結果が俺の夢である。
何も、自分にないもので勝負しようとしているわけではない。その点では、現実味があるというものだ。
人間には、それこそ星の数ほどの可能性がある。
しかし、人一人の人生でできることにはさすがに限度がある。
その限度が存在しないのが物書きという職業なのだと思う。
物語の上でならば、様々な人の人生を描ける。
それこそ、宇宙飛行士にでもサッカー選手にでもなれるってもんだ。
昔は考えもしなかったことを、今では文章によって形作ることができる。
それがどれだけ素晴らしい職業なのかと、その道を歩き始めた俺は思っている。
それがどれだけ険しい道から知らないけど、とりあえず前進していくだけだと。
自分の人生なんだし。後悔だけはしたくないじゃないか。
そんなことを思いながら、積んでいたエロゲを起動。
あ、今日は変態ネタはしないって決めてたのに。
全てを台無しにしてしまった、本日の日記。
それでは、次の日記にて。
友井架月でした☆
テーマ:日記 - ジャンル:小説・文学
- 2009/06/21(日) 23:28:17|
- 日記参
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